騙していた訳じゃない。

こんな事がしたかった訳じゃない。

どんなことを言ったとしても、君には何も届かないんだね。


君がそんな姿になるまで、私はたくさんの人を犠牲にしてきた。

”義務だから”

罪を償えるとは思えない。
ただ死ぬだけではきっと満たされない。

君が殺すだけでは飽き足りない程憎む人間が、
君のすぐ近くにいるということを知ったら

君はどうするのかな。


何せよ、私の命はそう長くないし、
この忌々しい死神も私の代で消さなければいけない。

やる事はたくさんあるのだ。

いちいち殺し損ねた人間の事などに構っている余裕などない。


けれど、



けれど、少しだけ、


君を殺さなかった当時の私に感謝している。


どんな形であれ、もう一度君に逢うことができたのだ。

唯一の、居場所となったのだ。


まだ、手放したくない。


だから、もう少しだけ

騙されたままでいて。




by『PAIN』 Sato for Shinagi

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